大人の唐辛子クッキー

香辛料クッキーの薬膳的効能(陽気を補う・冷え改善)


【作り方】(辛味)

①室温に戻したバターと砂糖をすり混ぜる

②薄力粉とベーキングパウダー、唐辛子パウダーを合わせた粉を振るい入れる

③混ぜて円筒状にし、冷蔵庫で1時間以上寝かしてから1cm厚さに切り 170度のオーブンで焼く

「薬膳ごはん術 第5回『五味』大阪木曜日チームレシピ3/5」

● このレシピが向いている体質

このクッキーは 陽虚(ようきょ=身体を温める力が弱い体質) の人に最適です。
特に次のような特徴がある人はよく合います:

手足がいつも冷たい

朝起きると身体が重だるい

胃腸が弱く、生ものや冷たい物でお腹を壊しやすい

寒い季節に体調を崩しやすい

元気が出ず、疲れやすい(気虚を伴う場合も多い)

温め作用のあるスパイスを取り入れることで、
身体の内部からやさしく陽気(あたためる力)を補う薬膳スイーツ になります。

● 中医学的な効能

香辛料クッキーは、以下の働きを併せ持つ薬膳です:

身体を内側から温める(温中散寒)

胃腸(脾胃)の機能を高め、気血の生成を促す

寒さで滞った気血の巡りをよくする

疲労感・冷え・気虚の改善に働く

甘味とスパイスの組み合わせは、
“負担はかけずに陽気だけを補う” という、陽虚向けの理想的な構成です。

● 食材ごとの薬膳的ポイント

■ 生姜(乾姜)

温中散寒

脾胃を温め、消化機能を高める

冷えによる腹痛・下痢を改善
→ 陽虚の中心食材。

■ 黒胡椒(胡椒)

温裏散寒

気血を巡らせ、全身の冷え・凝滞を除く

消化の滞り(食滞)にも良い
→ 冷えによるむくみ・胃もたれにも効果。

■ 小麦粉・バター・砂糖

脾を補い、気を生む(適量なら気虚改善に良い)

体力消耗時や冷えで食欲が落ちたときにも向く

■ シナモン(桂皮)※もし使用している場合

補火助陽

冷えが強い人の“陽の火力”を補う

手足の冷え・腰の冷えに良い
→ 陽虚に最強クラスの補陽薬。

● どんな症状の人に合う?

冷え性(特に下半身が冷える)

胃腸の冷えによる腹痛・軟便

冬になると元気がなくなる

生理痛(冷えが原因のタイプ)

手足の冷え+疲れやすさ(陽虚+気虚)

代謝が下がり、むくみやすい

おやつとして気軽に摂れるため、
冷え体質の養生食として非常に優秀です。

● 注意点(禁忌)

ほてり・のぼせ・口渇が強い「内熱タイプ」の人は食べすぎに注意

就寝前に多量に食べると、身体が温まりすぎて眠りが浅くなる場合がある

胃炎・口内炎が出ているときは控えめに

● 専門家監修

本レシピの薬膳解説は、中国医学協会 代表・今中健二による中医学理論をもとに作成しています。